ペプチ

コント等をしています。(Twitter: @pepuchi_yan)

「熱血!!palet体育館」活動報告5

少しずつ、静かに生じていたほころびは、いつしか大きな断裂となって修復不可能なまでに成長していた。ゆっくりと、権力は化けの皮を剥ぎ取られ、自分でも気づかないうちに、民衆の造反を許すようになってしまっていた。

彼女たちは、アイドルという隠れみのを使って笑顔で僕に歩み寄ってきた。そこに反乱の意志は、微塵も感じられなかった。ただの従順な市民の顔をした、二人の人間だった。その二人の内に潜む「抹殺」の二文字は、権力にあぐらをかいた僕の目には、決して映らなかった。

 

隔週月曜日に出演させているSHOWROOMさんの番組「熱血!!palet体育館」は、王道ピュアアイドルのpaletさんに僕が監督として熱血指導をしていくというものであるが、放送5回目を迎える今日、ついにメンバーさんが、権力を振りかざす僕を抹殺しにかかってきたのである。その反逆の一部始終を、説明していきたい。

 

まずは放送前から振り返ってみよう。

今日の出演メンバーである藤本さんは、放送前にブログを更新していた。何か嫌な予感がしたわけではない。特段の違和感はそこになかった。しかし僕はなぜか、ブログのリンクをクリックしていた。

そこで見たブログの締めに、彼女は衝撃の一言を綴っていた。

f:id:pepuchi:20160627224822j:plain

 

 

 

 

 

 

狂気の沙汰だ。

なんだか分からない謎のピンクの動物が、「いじり倒す」という言葉の後ろで、満面に微笑んでいる。笑いながら、宣戦布告をしている。彼女は、狂っていた。

 

 

この不思議な感情を処理できないまま、放送が始まってしまった。気が付くと僕は、平口さん、藤本さんの二人から、フルパワーで攻撃されていた。ここで、番組中に告知をしていた藤本さんのツイートをご覧頂きたい。

f:id:pepuchi:20160628091257j:image

 

  「無敵」という言葉は、「敵が無い」と書く。彼女たち二人の力を合わせれば、「敵は無い」。僕は、彼女たちにとって、「敵」だったのだ。念のため、「敵」の意味を掲載しておこう。

f:id:pepuchi:20160628092548p:image

 

 

 

放送開始当初から危険視していたこの二人が交わってしまったのだから、出演者が知らされた時点で気がついておくべきだった。これまでの放送で不満も飛び交っていたが、本当は素直な部員たちなのだろうとたかをくくっていた僕の認識が甘かった。僕は、彼女たちの敵として、社会的な制裁を受けた。

 

 

とはいえ、企画が始まってからは、彼女たちの反逆もいくぶんゆるやかになった。

「熱血!!通販」という新しい企画は、架空の通販番組のていで様々な商品をアツく紹介していこうというものだった。

平口さんは、黄色のビデオケーブルを、電流が流れて健康を促進するためのものだと思っていた。テレビにつないで肌につけると電気が流れて健康になれるらしい。30名限定で1600円で販売するつもりらしい。笑顔で悪徳なことを言いまくっていて、怖かった。

藤本さんはこのケーブルを、リボン結びにして服につけるものとして紹介していた。電気街口で付けてオシャレに振る舞いましょうみたいなわけのわからないことを言っていた。言ってることは全く分からなかったが、言い方の説得力が異常だった。

 

そのあとは、前回に引き続き熱血な大喜利を行うという企画だった。

平口さんは、「熱血ソング『気合でpalet』のサビを歌ってください」というお題で、「なんくるないさ〜 なんくるないさ〜 パパパパレット アツアツ イェイ」と歌っていた。意味がよく分からなかった。しかし、亜熱帯地域である沖縄の言葉を出して心理的に熱さを感じさせる描写から始まり、「パレット アツアツ」と直球でビシっと締める感じは、あとから思い返してみると実はとても秀逸なのではないかと思った。大量の上矢印を多用するところは前回と変わっていなかった。

藤本さんの回答は、平口さんに「古い」と言われていた。それに対し「古きよき時代の懐かしさを感じてほしいから」などと巧妙な言い回しを矢継ぎ早に繰り出す藤本さんは、人を言いくるめるのがめちゃめちゃうまいなと思った。

大喜利で体力を使いきったお二人は、最終的に、狂ったように笑いながら「タスケテ〜♪タスケテ〜♪」と謎の歌を歌っていた。地獄のような企画は時に人を破壊するのだなと思った。

 

はや5回目の放送が終了しました。お楽しみいただけていれば幸いです。次回もよろしくお願いします。