小学生が書いた天才的な詩
小学校二年生くらいの時、学校中の先生が僕たちのクラスの授業風景を見に来るみたいな謎の会が催された。科目は国語で、詩を書こうという授業内容だった。
僕は、このあたりを書いておけば大人が喜びそうだなと思ったので、「ブランコはゆりかごみたい」みたいないかにも子どもくさい内容の詩をノートに書いた。書いた後、クソ気持ち悪いなと思ったので、消した。すると、近くを通りがかった名前も知らない先生が、「なんだ、消しちゃったの?よかったのに。」と言った。
僕は、「えーと、なんか、鳥肌が。」と言った。
その先生は、「鳥肌が?」と僕を追い詰めてきた。
追いつめられて動揺した僕は、「えっ。えっと、鳥肌が、好きなので、テーマを鳥肌に変えようと思って」とわけのわからないことを言ってしまった。
先生は、「なんか気持ちの悪い児童がいるな」という顔をしながら僕の発言を無視して去っていった。
そのまま何も考えずぼーっとしていると、考えた詩をみんなの前で発表しようみたいな展開になった。
担任の先生は、トップに僕を指名した。
僕は再び動揺した。あの名前も知らない先生に言ってしまった手前、鳥肌がテーマの詩を詠むしか、僕に道は残されていない。
僕は、
「鳥肌をさわると、ゴツゴツしてる。僕はこのさわりごこちが好き。みんなも僕の鳥肌、さわって。」という最高に気持ちの悪い詩を発表し、それからしばらくクラスの女の子が話しかけてくれなくなったのだった。